第6章音声およびピンディスプレイの機能


この章では点字編集画面で使用できる音声およびピンディスプレイの機能について説明します。

6.1 音声ピン共通

点字編集システムには、専用の音声読み上げ機能が備わっています(男性音のみ)。また、SAPI対応の音声エンジンで読み上げることもできます。なお、ダイアログの読み上げには、音声読み上げソフトウェアが必要です。ピンのユーザーの方もメニューバーなどへアクセスする場合は、スクリーンリーダーが必要です。

6.1.1 設定

音声の設定は「設定」→「音声設定」で行います。設定項目は以下のとおりです。


※標準の音声エンジンからSAPI対応エンジンへ切り替えるときは、「標準の音声エンジンを使用」のチェックを外して音声設定画面を保存終了し、点字編集システムを再起動してから、音声設定画面のキャラクターを選択してください。
※標準の音声エンジン以外の場合は、選択した音声合成の性能により、声質や速度、品質(聞き取りやすさや読み間違え等)がそれぞれ異なります。

6.1.2 現在位置確認(Ctrl+F2)

音声では「1ページ4行3マス、全10ページ」などと発声します。ピンでは「p1l4c3t10」などと表示されます。現在行に、インデント設定があった場合は、インデントの状態を音声およびピンディスプレイで表示します。また、文書サイズの読み上げおよび点字ディスプレイへ表示します。また、Alt+Shift+F2により、現在位置情報の発声と同時に、Windowsのクリップボードへコピーしますので、メモ帳などへテキストデータを貼り付けることができます。

6.1.3 改行・改ページ表示オン/オフ(Shift+Ctrl+F4)

表示のオンオフと交互に切り換えます。オンのとき、音声ではCtrl+F3やCtrl+↑↓で「改行」「改ページ」と発声します。オフに設定しても入力時には発声します。ピンでは「r」および「p」で表示されます(外字符なし)。

6.1.4 見出し指定行表示オン/オフ(Shift+Ctrl+F5)

Shift+Ctrl+F5を押すと「見出し表示オン(またはオフ)」と表示し、Shift+Ctrl+F7により指定された見出し行を表示します。音声では読み上げのときに「見出し始まり」「見出し終わり」と発声し、ピンではブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。初期値はオンです。
「表示設定」ダイアログの「見出し指定行表示」で起動時の設定を変更できます。

6.1.5 グラフィック存在の確認(Ctrl+F12

現在カーソルのあるページにグラフィックがあれば、次の表のように、グラフィックの通知を行います。
通知の種類グラフィックの種類
BESグラフィックがあります点や図形で構成されている場合
グラフィックがあります点だけで構成されている場合
グラフィックの裏面ですグラフィックの裏面の場合
※校正用の読み上げ(現在ページ読み上げ(校正用)、先頭から現在位置まで読み上げ(校正用)、現在位置から最後まで読み上げ(校正用))を行った際は、グラフィックのあるページのところで、同様にグラフィックの通知を行います。

6.1.6 入力状況表示(Ctrl+I(アイ))

現在の入力状況を「外字オフ 英語オン 点字 Rかな」などと表示します。Rはローマ字入力を意味します。外字、英語などはオフのときは表示されません。

6.1.7 ファイル名の読み上げ(Ctrl+Insert)

現在編集中のファイル名を知らせます。
Ctrl+Insertで、ファイル名を読み上げで確認する場合は、最初に押した場合はファイル名のみ読み上げます。連続して押した場合はフルパスで読み上げます。

6.1.8 マウスタッチカーソル読み

メニューの「設定」の中の「音声設定」の中の「マウスタッチカーソル読み」の設定を「オン」にすると、該当するタッチカーソルを押してカーソルを移動すると、移動したマスの文字を読み上げます。また、マウスで該当するマスをクリックして移動した場合も同様に読み上げます。初期値はオンです。ただし、「音声設定」の中の「移動先文字読み」が「オフ」の場合は読み上げません。


6.2
 音声の機能

6.2.1 文字読みオン/オフ(Ctrl+F1)

押す度に交互に切り換わります。オンのときには入力した文字をその場で発声します。キーエコーともいいます。オフでもメッセージ類は発声します。変化時に「キーエコーオン(オフ)」といいます。

6.2.2 カナ読み/英語読み/情報処理読み 切り換え(Shift+Ctrl+F1)

点字の読み方のカナ読み・英語読み・情報処理(ナチュラル表記)読みを切り換えます。Ctrl+F9(読み上げ機能)がオンに設定されていなければ発声しません。開始時は音声設定の読み上げモードで指定されている設定に従います。変化時に「読み上げカナ(英語)」といいます。
メニューの「設定」の中の「英語表記切り替え」で「従来表記」を設定している場合は「英語従来表記」と通知します。また「新表記(2016年から」を設定している場合は「英語新表記」と通知します。
読み上げを「カタカナ」または「ひらがな」に切り替えても、「英語従来表記」または「英語新表記」を高い声で通知します。

6.2.3 文字読み/フォネティック読み切り換え(Ctrl+F5)

フォネティックにすると一つ一つの文字を熟語を使って読み上げます。変化時に「フォネティック読みオン(オフ)」といいます。

6.2.4 音声スピード切り換え(Ctrl+F10

スピードは5段階あり、押す度に速度が1段階ずつ変化します。最大(5)の次は最小(1)になります。変化時に「読み上げ速度1(2,3,4,5)」といいます。

6.2.5 カーソル行読み上げ(Ctrl+F3)

カーソルがある行の内容を読み上げます。
Shift+Ctrl+←(→)でカーソル位置から左端(右端)までを読み上げます。

6.2.6 現在ページの読み上げ(Ctrl+F6)

現在カーソルのあるページを最初から読みます。読み上げ中にEscキーを押して止めると、読み上げていた行の1マス目にカーソルが移動します。読み上げ完了後、次のページの先頭行にカーソルが移動します。ページの途中までしか文字が無い場合は文末の次の行へ移動します。

「読み上げ」メニューからも実行できます。「読み上げ」→「現在ページの読み上げ」に(校正用)と書かれているものとそうでないものがあります。なお、(校正用)は読み上げ実行の場合、強制的に記号読み上げます。また、英文字の場合は、強制的にスペル読みで、読み上げます。グラフィックのあるページでは、グラフィックの存在を通知します。

6.2.7 文頭〜カーソル(Ctrl+↑)、カーソル〜文末まで(Ctrl+↓)の読み上げ

Ctrl+↑で文頭からカーソル位置まで読み上げます。中断するとその時読んでいた行の先頭にカーソルが移動します。

Ctrl+↓でカーソル位置から文末まで読み上げます。中断するとその時読んでいた行の先頭にカーソルが移動します。読み上げ完了後、カーソルは文末に移動します。読んでいる途中でPauseキーを押すと停止し、再度押すと読みを再開します。

Shift+Backspaceで記号読みをオンにすると文字だけでなく記号類も読み上げることができます。再度Shift+Backspaceを押すと記号読みがオフになります。

これらの機能は「読み上げ」メニューからも実行できます。「読み上げ」→「先頭から現在位置までの読み上げ」「現在地から文末までの読み上げ」に(校正用)と書かれているものとそうでないものがあります。なお、(校正用)は読み上げ実行の場合、強制的に記号読み上げます。また、英文字の場合は、強制的にスペル読みで、読み上げます。グラフィックのあるページでは、グラフィックの存在を通知します。

6.2.8 文節読み上げ(Ctrl+←→,Ctrl+F8)

Ctrl+→:カーソルをその次の文節の先頭に移動し、その文節を読み上げる。
Ctrl+←:カーソルをその前の文節の先頭に移動し、その文節を読み上げる。
Ctrl+F8:カーソルのある文節を読み上げ、カーソルはその文節の先頭に移動する。

6.2.9 再読み上げ(Ctrl+F7)

点字編集システムが発声したものあるいは95Readerと競合して発声がキャンセルされたものを、Ctrl+F7で再度読み上げます。

6.2.10 読み上げオン/オフ(Ctrl+F9)

一時的に読み上げ機能を停止したり音声機能を復活したりできます。
読み上げをオフにしてもCtrl+↓(カーソルから文末までの読み上げ)は実行できます。

6.2.11 その他スイッチ

移動先文字読み上げオン/オフ

Ctrl+PageDown

オンにするとカーソルを移動したときにその場所の文字を読みます。

空白文字読み上げオン/オフ

Ctrl+PageUp

このスイッチをオンにすると上記のスイッチがオンのときに空白文字も発声します。

ページ行読み上げオン/オフ

Shift+Ctrl+Backspace

ページ行の内容の読み上げを制御します。


6.3
ピンディスプレイの機能

6.3.1 カーソル表示オン/オフ(Shift+Ctrl+F2)

ピンディスプレイ上のカーソル表示(7・8の点)のオン/オフが切り換わります。

6.3.2 上書/挿入表示オン/オフ(Shift+Ctrl+F3)

オンに設定すると38マス目に上書が「r」、挿入が「i」で表示されます。39,40マスには行番号を示す数字が下がり数字で表示されます。再度押すとオフになります。


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