こうき君は頸髄損傷による四肢麻痺(右上肢は不全麻痺)があり、人工呼吸器を装着していて、胃瘻造設をしています。ゲームが大好きで好奇心旺盛。明るくお喋り好きな小学生です。
「楽しめる何か」がほしかった
生活する上で人にやってもらうことが多く、ゲームや好きなこともできず、楽しみを感じる機会が不足していました。手足を自由に動かせないこうきくんのために、お父様は「本人が楽しめる何かがあればいいなぁ」と、手足を補うツールを色々リサーチしていました。
リハビリで右手が動くようになっても、思い通りにゲームができなかった
受傷した当初から担当している理学療法士の大野先生(体育ラボ 主宰)は、継続的なリハビリにより徐々に右手が動くようになってきてから、上肢機能へのアプローチを増やしていくことによって、いろいろな可能性が出てきたといいます。それでも日常生活の動作や遊び、ゲームなどが思い通りにはできない状態でした。お姉ちゃんがゲームで遊んでいるところを隣で見ていて、自分もやりたいという気持ちがこうきくんにはありました。
MOMOプライム導入のきっかけは、支援学級の担任の先生と大野先生からの紹介でした。お父様としては、腕の操作の補助になるし、リハビリにもプラスになるのでは、という期待がありました。デモ機を試してみると確かにPCやゲームの操作ができ、こうきくん本人も手応えがあったようです。お父様も期待どおりMOMOプライムが役立つと感じ、補装具費支給制度を利用して購入しました。
MOMOプライムを使ってから、諦めていた操作に挑戦する気持ちが生まれた
「MOMOプライムを導入したら、ゲームが楽しくて何時間も没頭してしまう、子どもらしい当たり前の姿を見ることができた。今後も練習をしてPCを使えるようになれば、ゲーム以外にも好きなことを自分の手でできるようになる。今まで諦めていたことに挑戦する気持ちが生まれることに、プラスの価値がある。」とお父様はおっしゃいます。
ご両親は、いずれはこうきくんが自分自身で生きていくことを見据えています。人に頼れることは頼り、できることは自分でやり、社会参加できるようにしていきたい思いがあります。こうきくんは、これから先もゲームを楽しみ、さらに学校にPCやMOMOプライムを持ち込んで色々やってみたいという意欲が出てきました。
ゲームで遊び出す自主性を引き出せた
リハビリの大野先生の視点では、MOMOプライムを導入し、かつスイッチやジョイスティックなどの入力デバイスも使って練習すると、面白いように使いこなしてゲームで遊び出すなど、自主性を引き出せたことが大きいと言います。MOMOプライムがあることで、少しの動きでスイッチやジョイスティックを操作できます。
まずはさまざまなゲームで遊べるようになると、楽しいことが増える。それをきっかけに、将来的に仕事ができるように、PCでYouTubeやインターネットを使っていき、文字入力の練習などを進めていきたいと考えています。
こうきくんにとってMOMOプライムのいいところ
- MOMOプライムのサポートがゲームを楽しむモチベーションを掻き立て、ジョイスティックの操作スキルが向上したこと
- 姉弟で一緒にゲームができるようになったこと
- 「やってみたい」という意欲を引き出せたこと
- PCのオンスクリーンキーボードもポインティング可能になったこと
- MOMOプライムで獲得したスキルを今後の学習に生かせるという期待
MOMOプライムの構成
- アームレスト タイプB 右
- スプリング 中
- フロアスタンド
導入までの流れ
テクノツールと地域の補装具事業者が連携してMOMOプライム導入を進めました。
取付・装着においては、①座位姿勢、③右上肢の可動性、③やりたいこと、の三要素を考慮して対応しました。
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MOMO/MOMOプライムとは?
MOMO(モモ)シリーズは、上肢の筋力低下や運動麻痺のある人の暮らしに役立つアームサポートです。腕の重みを支え、左右にスムーズに腕を動かせるようにしたり、肘を曲げやすく補助してくれます。
補装具費支給制度や労災保険、健康保険、自動車保険等を利用して購入できます(一定の条件があります)。